かんづめステップ

一歩一歩。勘を培う。

新鋭トリオの熱演「キングオブコント2018」

一昨日、「キングオブコント2018」が放送されました。
M-1グランプリR-1ぐらんぷりに続くお笑いコンテスト三本目の柱みたいな位置づけの大会です。初開催が2008年なので、もう11年目になるんですね。それに伴って色々なルール刷新も試みられた今大会を振り返ってみたいと思います。

natalie.mu

 

優勝は「ハナコ

11回目のキングオブコントを制したのは、ハナコ

ファーストラウンドの「愛犬」からして、この大会には珍しい平和なネタで異彩を放ってた印象です。犬の擬人化と言えばありがちかもしれないけど、いちいち共感を突いてくる場面の切り取り方と演技力が見事で、質が高かった。
砂浜でじゃれ合う「恋人」から始まったファイナルも、不思議な世界観が構築されててお気に入りです。ファイナルのネタが、ファーストラウンドを上回る熱量を持っていたのがハナコだけだったと感じたので、納得の優勝です。

なにより個人的にはファイナル初進出、新鋭の優勝ってのが嬉しかった。
ハナコと言えば、個人的には若手の登竜門「新しい波24」メンバーという認識が強い。続く「AI-TV」には抜擢されず(最後の入れ替え戦には出たけど)、比較的地味なメンバーという印象だったので、霜降り明星さや香らを差し置いての今回の栄冠は、今後の若手戦線にも影響を与えて面白いことになりそう。
そう言えばフースーヤってどうなったんでしょう…汗。

 

苦汁の選択ミス?チョコレートプラネット

IKKOのモノマネだけじゃないぞ、とばかりに今回こそチョコレートプラネットの優勝か…と気運は高まってましたが、ファイナルのネタ選出を誤りましたね。ロッチ状態?

ファイナルの「意識高い系棟梁」も着眼点はすごい好きなんですが、小ネタアイテムの羅列になっちゃった。
チョコプラの十八番とも言えるけど、「アプリでカンナ掛け」まではツボだったので、大工道具をなんでもかんでもアプリでこなしちゃう、みたいなワンテーマでリストアップしてコンセンサス取ってアジェンダしてほしかったですね(分かってない…)。

 

デスゲーム、能力者、ループ、サイコメトリー

そんなチョコプラのファーストラウンドもそうだったんですが、デスゲームやら能力者やら、キングオブコントって漫画チックな単語が普通に飛び交うことが多いなあ、と感じます。こういうのってどの程度、広い世代にすんなりと伝わるものなのかなあ、とお節介な引っ掛かりを覚えたり。

特にマヂカルラブリー
疑問符が浮かぶリピートが続いたあとで、(ループするにしても)「こんなトコじゃなくない?」ってツッコミがクリティカルで好きだったんですが、ループものを逆手に取ったそのツッコミにピンと来なかったら、もう取り残されそうだなー、と。
とは言え、M-1グランプリよりは爪痕残せたんじゃないでしょうか。怪傑えみちゃんねるに呼ばれる日も近い!?

サイコメトリーを題材にしたザ・ギースも好き。
犯人の残留思念より作り手の思い(=製造工程)が強かった、って凄い盲点的な着眼点。「メイドインチャイナかい!作り手の思い薄すぎだろ、犯人の思い超えてこいよ」と皮肉も交えてみたり。

 

巧みな会話構成で魅せるロビンフット

結果こそ奮わずだったけど、ロビンフットの「結婚報告」もお気に入りです。
戌年とだけ聞いた婚約者は果たして何歳なのか。会話のひとつひとつで予想年齢が12歳ずつ寄せては返す構成が巧み。「2人ともユーミン好きやし」「ユーミンは幅広い世代に愛されてる」「彼女は荒井由実って呼んでる」「じゃあ48や」…このコントを描く上で見事な題材。

 

ファイナリスト当日発表の功罪

ここからネタではなくキングオブコントのルール刷新について。

今大会から導入された最も大きな変更が、ファイナリスト10組の当日発表。
てっきりオープニングで10組発表なのかな、と思いきやまさかの出番ごとの適宜発表という徹底ぶり。番組としては盛り上がり所も増えて、個人的には面白くなって良かったと感じました。

ファイナリストとしては進出できたが機密事項になってファンにも報告できないってのは歯痒いものがありそう。当日、弟の結婚式だったにも関わらず出席できない理由すら説明できなかったというさらば青春の光のエピソードは切なさすらありました。

 

abema.tv

いや、それぐらいだったらまだいいんですが。決勝戦当日に配信されたAbemaTVでの準決勝敗退芸人らのトークによると、落ちたことを悟られないよう振る舞うことを強いられていたみたいで、そうなるとイチ番組の盛り上がりのためだけに採るべきルール刷新だったのか、議論の余地がありそう。

 

結果発表ーーーッ!!

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今年も浜田の「結果発表ーーーッ!!」がこだましました。

水曜日のダウンタウン』で「結果発表のコールが日本一上手いの浜田雅功説」が放送されたのが2015年4月の2時間スペシャルだから、もう3年前なんですよね。『キングオブコント』のテレビ欄にもいじられるほど浸透して2年目。
ここを面白がるのも、さすがに鮮度が落ちてきたよなあ、と。
だからって裏を書いて小声で結果発表というのもサブいし、つくづく因果なところに面白みを見出してしまった罪作りな『水曜日』だ。

 

今後「結果発表」はどうしていくべきか、今回採用されたルールは継続されるのか、なんだかんだ来年以降のキングオブコントも楽しみになってきました。
そして何より、ハナコが飛躍できるかどうか。バイきんぐになるかライスになるか、見逃せないところです。

いぬのきもちカレンダー2019 ([カレンダー])

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