かんづめステップ

一歩一歩。勘を培う。

もじぴったんが尊すぎて語彙力が死んだ

先月9月5日(木)に公開されたNintendo Direct
数々の新タイトルが発表され話題をさらいましたが、そのなかで個人的に心躍ったのがことばのパズル もじぴったん

 


ことばのパズル もじぴったんアンコール [Nintendo Direct 2019.9.5] (動画が消えていたので別のプロモーション動画に差し替え…12.11)

毎回、なぜか不思議と期待を抱くシリーズなので、10年ぶりの復活が嬉しかった。
♪ぴったんたんたもじぴったん♪のテーマ曲もクセになる。

もじぴったん』シリーズの礎を築いた後藤裕之ディレクターが、バンダイナムコゲームスを退社し現在手掛けられている『クロス×ロゴス』や、最近流行りの『限界しりとり』も少しプレイしてみて同趣向の語彙力ゲームとして楽しいですが、この記事ではもじぴったんを一途に語っていきます。

 

【聖子ちゃんカット】80年代に流行した女性の髪型の一つ。

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もじぴったん』はクロスワードパズルの要領で、文字を並べていくパズルゲーム。ただし決まった言葉を当てはめていくのではなく、思うままに言葉を並べていくのがクロスワードパズルとの大きな違い。ひとつの文字を置いただけで複数個の言葉が出来上がった場合は「連鎖」として得点を重ねられるなどパズルゲームらしい趣向も。

では置いた文字列が、何をもって「言葉」として認識されるのか。
それがこのゲーム独自に搭載された8万~13万語にも上る専用の辞書データ。そこらの辞書にも引けを取らない語数を誇る辞書データを、言葉ごとに短い語義説明も含めて、いちゲームのために新たに編纂してしまった。
今の時代なら、集合知で出来上がったネット上の辞書データを元に活用する、とかローコストで実装する手段はいろいろありそうですが、そうではない時代にイチから作り上げた功績。その凄みが、初めて『もじぴったん』シリーズに興味を抱いてきっかけでした。

ちなみに…13万語もの辞書データは、後藤裕之さんがほぼ1人で入力したものだそうです。

 

そんな8万~13万語の辞書をさらに魅力的にしたのが、ユーモラスな語彙
一般の辞書にあるような言葉はきちんと抑えた上で、くだけた表現や流行語、今さら誰が使うの…という死語までだぶんに盛り込まれています。
なかでもひとつ象徴的だな、と強く印象に残っているのが…

せいこちゃんカット
【聖子ちゃん-】
80年代に流行した女性の髪型の一つ。

こんな言葉まで入っているのか!
…いや世代的にはいまいちピンと来ない言葉なのですが、だからこそ「もじぴったん辞書」の懐の深さに惹かれた一因になっている言葉です。このゲームで作れる言葉は最長で9文字なので、ゲーム上ではなかなか実践する機会のない難易度の高い言葉ではありますが…。
9文字言葉には、ほかにもこんなものが↓


もじぴったん(DS版) 9文字単語の世界

 

 

【下手の横好き】へたなのに、それがとても好きなこと。

…と、ゲーム性や辞書に惹かれて熱く語ってきましたが。正直なところ、『もじぴったん』が上手いワケではありません。なんだったら毎回、せいぜい数十問目あたりで脱落してしまうレベルだったりします。

語彙力が乏しいのもさることながら、それとは別に「凝った問題の先を見通す要領」が掴めていないのだと思います。

 

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たとえば、この問題。
「のぼり」「くだり」パネルから言葉を繋いでいって3文字以上の言葉を12コ作ればクリアという問題です。使えるパネルには限りがあるので、あとでパネルに困窮してしまわないように使いどころの少なそうなパネルから先に使っていこう…と結局いつも「な行」「ま行」「ら行」の言葉ばっかり当てはめようと悪戦苦闘してる気がします。
しかも、パネルをはめると問題の盤面全体が回転したり、移動したり、制限時間が設けられている問題もあって…ともはやワケが分からない。
せっかくの語彙力ゲームを全幅で楽しめていないなあ、というジレンマを抱えています。

 

だったら、もうこのゲームは自分には向いていないんだ、と早々に切り捨ててしまっても良さそうなものですが。それでもなぜか新作が発表される度に、やっぱり面白そうだなあ、とついつい手を出してしまう。
もじぴったん』は、個人的にはそんな不思議な立ち位置で惹かれ続けているシリーズになっています。今回のスイッチ版もまた揚々と手を出して、早々に音を上げることでしょう…笑。

…と言うことで、これまでのシリーズの歩みをちょっと振り返ってみます。

 

 

【歴史】過去から現在までの経過。

ことばのパズル もじぴったん ことばのパズル もじぴったんアドバンス

自分がプレイしたのは、GBAもじぴったんアドバンス』のほう。
当時8万語もの辞書データ…に加えて、それをわずか8MBのカートリッジに搭載していたということにも驚かされました。
シリーズで唯一アーケードからの移植作でもあるので、それを再現した「あーけーど」モードがあります。同じ問題であっても自然と何度もいろんな言葉を打ち込んで遊ぶ機会が生まれてメリハリがあるというのは、のちのタイトルのようにただ数百問がバーンと選び放題とは違った楽しさがありました。

 

ことばのパズル もじぴったん大辞典 - PSP

PSPもじぴったん大辞典』は、PSP本体と同時発売。
自分はPSP買わなかったので未プレイなのですが、携帯機ながら高解像度で文字が読みやすく羨ましかった。「ワードサーチ」モードや「辞典コレクション」モードなど、その後のシリーズでも重用されるモードが搭載されたのはこのタイトルからでした。

 

ことばのパズル もじぴったんDS

そして、待望のDSもじぴったんDS』です。
タッチペン操作が快適だった反面、やはりPSPの画面と比べてしまうと、どうしてもフォントの小ささが気になってしまうのが玉に瑕。2画面を活かして、上画面にはもう少し見やすい大きさで、直近の言葉が表示されていく機能もあったのですが、このゲームにおいてはなかなか盤面以外の画面に目が行きにくかった。

関連作として、DSiウェア『もじぴったんしりとり時計』というタイトルもあります。ゲームではありませんが、時計とともにもじぴったん由来の辞書しりとりを眺めることが出来ます。

 

ことばのパズル もじぴったんWii デラックス

Wiiウェアのロンチタイトルとして登場したもじぴったんWii。まさかの1000Wiiポイントぽっきり!のちにDLCによる追加問題などもあらかじめ搭載したパッケージ版もじぴったんWiiデラックス』も発売、画像はこちらを掲載しています。

自分的には初めての据置機でのもじぴったんで、フォントの見やすさが嬉しかった。
Wiiリモコンによるポインティング操作に対応。タッチペン操作には劣るものの、こちらも直感的な操作ができました。辞書データは、ついに13万語に到達。

 

 

【一日千秋】とても待ち遠しく思うこと。

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そんなWii版から10年の時を経て登場するのが、今回のSwitchことばのパズル もじぴったんアンコール』

アンコールの言葉通り、『もじぴったんWiiデラックス』を元にした移植作品です。
ただ、『もじぴったんWiiデラックス』時点で問題数400問だったところを、今作は800問以上収録と謳われているので過去作品からの再登用を含めたとしても、新作問題もかなりの数が期待できそう。

一方で辞書データの方は、13万語以上と『もじぴったんWii』からの大幅な増加は見られず。
PVを見た限りでは「令和」「インスタ映え」など際立った新語は追加されているようですが、ここら辺、後藤裕之さんが退社されているからこれまでのように万単位で言葉を増やしていく体制はもう難しいのかな。

 

代わりに、来年2020年春の発売に向けて新しい問題デザインと辞書に追加したい新語を一般募集するキャンペーンが開催中です。(10月31日締切)

encore.mojipittan.jp

…ってことで自分もひとつ、新語の方に投稿してみました。
すでに死語かもしれないけど、個人的には思い入れあって忘れられてほしくない懐かしの流行語ということで「じぇじぇじぇ」の追加登録をひとつお願いします!苦笑
ゲーム的にはほかの言葉に繋げづらく連鎖も期待できない厄介そうな言葉だこと…。

 

 

↓ある意味、もじぴったん最強の攻略本? 発売までに語彙力鍛えておかないと。

大辞林 第四版

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