かんづめステップ

一歩一歩。勘を培う。

キャラ選択が揺さぶる新境地…『おすそわけるメイドインワリオ』

『おすそわけるメイドインワリオをプレイ中です。

 

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スイッチで発売中の「メイドインワリオ」シリーズ最新作。

5秒ほどのプチゲームを次から次へとこなしていく瞬間アクション。第一作『メイドインワリオ』(GBA)の頃から好きなシリーズですが(もっと言うと前身である64DDの頃から!)、前作『メイドインワリオ ゴージャス』(3DS)は未プレイです。

 

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今作は、ワリオをはじめジミーやモナといったシリーズおなじみのキャラがプチゲーム内に登場

ワリオは左右への「アタック」、マイクは上方向への「ショット」、オービュロンは下方向への「すいこみビーム」といった具合に攻撃できる方向が決まっていたり。
ジミーやクライゴアは好きな方向への突進攻撃が可能だがその操作挙動が違ったり。
エイティーンボルトに至っては、自身はその場で動かずに「ディスク」を各方向に投げ飛ばす。

キャラごとに大小異なるさまざまな固有アクションを持っており、彼らを代わる代わる操作しながらプチゲームをクリアしていく、という新機軸を打ち出している。

 

その試みが、「メイドインワリオ」にどう影響をもたらしたのか見ていきます。

 

メイドインワリオ健在

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メイドインワリオ」として、プチゲームの楽しさは健在
シュールでバカバカしいプチゲームの応酬は笑えるし、お約束の「ニンテンドー」をテーマにしたステージはファンの琴線に触れるものばかり。

 

操作は「左スティック+Aボタン」のみ。

スイッチでの登場となると、Joy-Conを駆使した体感操作になるのかな…と思いきや、第一作『メイドインワリオ』ゆずりのボタン操作に立ち返りました。
ステージの区分も、『さわるメイドインワリオ』等での操作体系ごとではなく、純粋にプチゲームのモチーフが反映されたジャンル分けになってるいのも第一作を思わせて個人的には嬉しいポイントでした。

 

メイドインワリオ」の醍醐味は、段階に応じて2つあると思います。

まずはエンディングに到達するまで「初見のプチゲームのルールを的確に把握する判断力」
その後、ハイスコアを目指して「次々切り替わるプチゲームを冷静にこなしていく対応力」

今作のキャラ交代制の導入は、そのどちらにも新たな刺激を生んでいると感じました。

 

 

初見の判断力

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初めて見るプチゲーム。

アバウトな指示と画面構成から、何を操作し何をするゲームなのかを見極める
それまで培ってきたゲーム勘を試される感覚は、「メイドインワリオ」の初見プレイ時ならでは大きな醍醐味です。

一方で、初見を終える…エンディングを迎えてプチゲームを揃えてしまえば、一区切り付いてしまっていたのが従来作でした。

 

しかし今作。エンディングを迎えても、まだまだ初見の機会に出くわします…

 

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見知ったプチゲーム。
でも、このキャラで挑んだ場合、えっどう取り掛かるの!?…混乱しているうちに、あえなくミス。

かと思えば、そのプチゲームのルール形無しの簡単さで突破してしまえるキャラがいたり。ちょっと無理やりじゃない?とツッコみたくなるプチゲームとキャラの組み合わせもあったり。
エンディング後もなお、気づきが絶えないのは、従来作にない面白さでした。

 

裏を返せば、キャラごとにプチゲームの得手不得手が顕著に存在します。

ゲーム内においても、このキャラはこのプチゲームに不得手だと明示される場面もあります。それをゲームバランスが取れていないと取るか、「メイドインワリオ」の世界観も手伝って一種のハプニングとして楽しめるか、で好みが分かれるところかもしれません。

 

 

プチゲーム×キャラの対応力

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一度クリアしたステージは、規定回数ミスするまでプチゲームをこなしたスコアを競うゲームになります。ここからが本番!

スコアを重ねるごとにレベルは3段階上がり、ゲームスピードを増していく。
その高揚感と、次にどのプチゲームが来ても対処できるよう努めて冷静にプレイするギャップが「トリップ感」を演出する。

 

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そこにキャラ交代制が加わり、アクションや操作がその都度、様変わりする。
プチゲームとキャラ、どちらがどう来ても対処しなければいけない二重の負荷は、「トリップ感」を味わえるまでの速度を底上げしてくれる。

 

キャラは、3~5人を選ぶか、20キャラ総参加(「ぜんいん」)から選択する。
「ぜんいん」挑戦ともなると、次はどの操作かと頭のなかで整理するのに軽くパニックです。先述した初見の組み合わせに当たる可能性も自ずと高まり、てんやわんや。

 

これら難局を乗り越えるには。元も子もないけど最終的には、どの組み合わせに対しても網羅的に把握しないといけないのかな。

…と言うことで、それに一役買ってくれるのが「ずかん」モード。

 

 

やりこみ要素にもキャラ選択の恩恵

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プチゲームを個別に集中的にプレイする「ずかん」。

ルールが把握できなかった場合の練習モードであり、シリーズ恒例のやりこみ要素として全プチゲームそれぞれに設定された合格スコアを目指すという目的もあります。
同じプチゲームを延々とプレイする、正直うんざりしてしまうやりこみです。

 

今作のプチゲーム合格スコアは「ぜんいん」で挑戦したスコアが対象です。
「ぜんいん」プレイを重ねることで結果、すべてのプチゲームをすべてのキャラでプレイしてみる機会を促している。

 

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プチゲームでのより際立ったプレイを要求する「ミッション」も。
普通にプチゲームをクリアするだけでは取らないニッチな行動が掲げられており、どのキャラ、固有アクションを選べば達成できるのか。あるいは指定のキャラをどう使いこなせられるか、といったスキルを問われる。

 

ずかん合格スコアも、ミッションも、従来作からあるやりこみ要素でしたが、今作ではキャラの特性をより知ってもらうための導線になっているのが興味深かった。

合格スコアを達成していくプレイは、やはり骨が折れるのには変わりないです。
しかし、そのプレイ途中にもプチゲーム×キャラによる新たな気づきがしばしば得られるので、従来作と比べれば作業感はだいぶ和らいでいると感じました。

 

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やりこみ要素としては「さしいれ」とキャラの「やくしょく」も。

ガチャコロンを回してさしいれを集め、キャラに与えることで昇進させていくコレクト要素なのですが。さしいれの好き嫌いがキャラごとに5段階設定されており、やくしょくも結構な段階を踏まなければならず、やりこみ要素としては途方もないと言うか、ちょっと蛇足かな、というのが正直なところ。

 

ストイックに競うワリオカップ

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メインモードやずかんと対照的なのが「ワリオカップ」。

毎週更新される「おだい」に挑戦し、オンライン上で世界のプレイヤーやフレンドとスコアを競うランキングモード。

 

「おだい」はキャラが指定され、場合によっては出てくるプチゲームの順番すら固定されている。
対応力を問われたメインモードとは違って、局所的なスコア競争を求められる「メイドインワリオ」においては新鮮な遊び方だった。
「おだい」はかなり先々まで更新予定っぽいので、根を詰めすぎず末永くプレイしていきたい。

 

 

お、おすそわける…?

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「おすそわける」の表題通り、すべてのプチゲームで2人プレイに対応している。

全20キャラのなかには「2P専用」(&1P専用)という扱いのキャラもいて、2人プレイだからこそ活きるユニークな二者一対の固有アクションを持ち合わせている。


プチゲームを応用した対戦モード「バラエティ」も搭載されていますが…

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悲しき「NEW」マーク

…と言うことで種々の「おすそわける」要素は今のところ、プレイする機会がありませんでした。

 

言い換えれば、複数人プレイを抜きにここまで熱弁してきた程度には1人プレイも充実しています。
「おすそわける」というタイトルだけをもって避けてしまうにはもったいないゲーム内容であることは間違いないと言いたい。

 

 

メイドインワリオの新境地

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総じて、「メイドインワリオ」の各モードにキャラ選択&交代制がいいアクセントを生んでいました

プチゲームがこういう形で広がりを見せるんだ!と興が湧く試みで、シリーズおなじみのキャラが直接ゲームに関与するというのも魅力や愛着が増しました。
実際、プチゲーム上で操作するこのミニキャラ達のモーションがかわいい!

そして自分的には『ゴージャス』を飛ばしていることも手伝って、久しぶりの「メイドインワリオ」としてとても面白かった。

 

一方で、プチゲームにキャラにと把握することが増えて、初めての方がいきなりパッと遊ぶには険しくなってしまったのかな、と感じます。
難しくなるばかりでなく「自機=キャラ」と明確になったという側面もある。あとは少々単調になってしまうけれど、複数キャラ使いこなすのではなく、1キャラで各ステージに挑戦できるレギュレーションがあっても良かったのかな。

 

メイドインワリオ」として新境地を見せてくれたキャラ選択の導入。
だからと言って今後、毎作取り入れられるシステムでもないような気がします。新たなハードの操作ギミックのお披露目タイトルとは食い合わせが悪そうだし…。

いずれにせよ、今後も遊びゴコロを欠かさない「メイドインワリオ」の展開を楽しみにしたいです。