かんづめステップ

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「小畑健展『NEVER COMPLETE』」を観てきた話

大丸梅田店で開催されている、小畑健展『NEVER COMPLETE』」を観てきました

 

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漫画家・小畑健さんの画業30周年記念の展覧会。
ヒカルの碁』『デスノート』『バクマン。』といずれも好きな作品で(ごめんなさい、最新作『プラチナエンド』は読んでいないのですが…)、少年漫画随一の美麗なイラストに惹かれて、ぜひ観ておきたいな、と興味のあったイベントでした。

 

昨年7月に東京、9月に新潟と巡回されてきて、この1月ようやく地元大阪での開催となったので行ってきました。

 

…まあ、自分は絵心ないので大層なレビューはできませんが、思ったことを書き留めておきます。

nevercomplete.jp

 

 

息を呑む原画の迫力

小畑健さんの30年間にわたる作品を幅広く展示されていました。
やはり『ヒカルの碁』『デスノート』『バクマン。』『プラチナエンド』に多くのスペースが設けられています。一方で、『CYBORGじいちゃんG』や『魔神冒険譚ランプ・ランプ』『人形草紙あやつり左近』『BLUE DRAGONラルΩグラド』『All You Need Is Kill』『学糾法廷』といった作品やその他、単発のイラストレーションも掲出されていました。

 

こういった漫画家の展覧会を観に行くと、原画の綺麗さに驚かされますね。
普段、どうしてもストーリーを追うのがメインで、何気なく見過ごしてしまっているページ1枚1枚の美しさに見惚れてしまう。それが小畑さんの画ともなると、これまで観に行った展覧会とも違った格別の綺麗さがありました。

変な話、これを「描いている」んだと意識すると、底知れない丁寧さに息を呑むような感覚だった。

 

「『碁』というテーマが小畑さんの写実的な画風とマッチした」というキャプションが印象的だったヒカルの碁。その言葉通り、一躍脚光を浴びていく瑞々しい流れを体感。藤原佐為との別れのシーンの繊細な描写が沁みる。
デスノートは当時、熱狂した名場面だらけ。「計画通り」や「Lとの決着」の原画を拝めたのが嬉しかった。あの“ラストシーン”の演出に原画がちゃんと存在することが感慨深かった。
デジタル彩色が採り入れられ、綺羅びやかな表現が目を引くプラチナエンド。「NEVER COMPLETE」という展覧会タイトル通り、今なお新たな表現を模索し続ける姿勢が伝わってくる。

 

 

そんな中、個人的にお気に入りだったのがバクマン。エリア。

 

バクマン。 1 (ジャンプコミックス) バクマン。 2 (ジャンプコミックス)

バクマン。』コミックス表紙に描かれたジャンプ本誌やコミックス。どのコミックスなのか判別できるディテールが発売当時、話題になりました。
その原画の描き込みようは、ひときわ見入りました。圧巻。

 

バクマン。』ならではの硬軟さまざまな表現もバラエティ豊かで楽しく、作中作の数々(『PCP-完全犯罪党-』etc…)をまさしく作中の作者がそれぞれ掲出しているような一角が設けられている遊び心もあって、面白かった。

 

 

総じて上質な原画をこれでもかと観れて、とても満足度の高い展覧会でした。

百貨店内のイベントブースでの開催という立地もあって、おそらくは小畑さん作品の愛読者というワケでもなさそうなお客さんも見受けられて、事前知識抜きにシンプルにイラスト展としても楽しませられる内容だというのが新鮮だった。

 

 

たっぷりしっかり、図録

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公式図録。
ほかのグッズ類はあんまり興味なかったのですが、これだけは購入しました。

 

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カバーをめくると、迫力あるキービジュアル。…と言うか厳密には、これが「図録」本体で別途、カバー付き版を購入したという形ですが。

 

展覧会の内容が、余すことなくたっぷり収録されていて装丁もしっかりしている。予想以上に価値ある一冊でした。
デスノート』以降の小畑さんのイラストをまとめた作品集としても嬉しい。

 

 

思い出の画集を今一度

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…と言うことでついでに紹介。
デスノート』時代に発売された小畑健さんの画集『blanc et noir』。

 

図録じゃなく画集というコンセプトの違いがあるので当然と言えば当然なのですが。印刷品質について言えば、こちらの方が秀でています。
2006年発売だから14年前の画集になるんですが、今回の展覧会を観てきたことで今一度思い入れが強まったと言うか、久しぶりにまた取り出して楽しんでます。

 

 

小畑健画集「blanc et noir」 (愛蔵版コミックス)

小畑健画集「blanc et noir」 (愛蔵版コミックス)

  • 作者:小畑 健
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/05/31
  • メディア: 大型本