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嘘はやがて真実に…『コンフィデンスマンJP プリンセス編』

映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』を観てきました。

 


『コンフィデンスマンJP プリンセス編』予告【7月23日(木・祝)公開】

長澤まさみ主演のコメディ色の強いコンゲーム作品。2018年4月クールの連続ドラマからスタートし、劇場版としては2作目になります。

 

もともとは5月1日(金)公開予定でしたが新型コロナウイルスの影響で延期に。
7月23日(木)、ようやく待ちわびた公開日を迎えました。
自分も、繁華街じゃなくて今回は最寄りの映画館で済ませるなど考慮した上で鑑賞してきました。

 

confidenceman-movie.com

 

総評

結論から言ってしまうと、自分は前作『ロマンス編』のほうが好きかな

今作『プリンセス編』は当初思い描いていた方向性とは異なる展開を見せて、ちょっと戸惑いを覚えました。でも、これこそ『コンフィデンスマンJP』だよな、とも思える内容になっていて結果的に今後の展望が楽しみになりました。

 

これまでのキャストが多数再登場するので正直、これまでの作品を観ていないと楽しみきれないかな、とは感じました。
本編もさることながら、小ネタや小道具の数々も魅力的なシリーズなので。個人的には、ダー子が15年前のとあるドラマタイトルを呟いたのが心憎くて大好き。

 

ちなみに前作『ロマンス編』およびドラマSP『運勢編』のレビューはこちら/

potara.hatenablog.com

 

 

ランカウイ島にオールスター集結

『プリンセス編』の舞台は、マレーシア・ランカウイ島。

世界有数の大富豪レイモンド・フウ(北大路欣也)が資産10兆円を遺して亡くなった。
遺言には、フウ家の3姉弟…ブリジット(ビビアン・スー)、クリストファー(古川雄大)、アンドリュー(白濱亜嵐)ではなく素性も知らない隠し子「ミシェル・フウ」が相続すると記されていた。 

ダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)、五十嵐(小手伸也)は、新たな仲間コックリ(関水渚)をミシェル・フウに仕立てて、フウ家に忍び込む
フウ家の執事トニー・ティン(柴田恭兵)や3姉弟の厳しい視線を騙し通すことは出来るのか。

 

時を同じくして、ダー子たちと因縁浅からぬ面々も集結。
ジェシー(三浦春馬)、赤星栄介(江口洋介)韮山波子(広末涼子etc…
まさしく『コンフィデンスマンJP』におけるオールスター集結の様相を見せる。

なかでもジェシーは、前作『ロマンス編』での好敵手ぶりを経て今作では愉快なシーンばかりだったけど、悲しいニュースを聞いて間もない今は切なくもあった。 

 

物語はやがて世界中のセレブを招待した、ガラパーティーに集約されていく。
マレーシアの雄大な景色も相まって、そのスケール感はシリーズ随一の見応えです。
この豪奢な舞台で、どんな作戦が繰り広げられるのだろう─ 胸が高鳴ります。

 

 

思い描いていたカタルシスとの誤算

実際、ダー子たちが仕掛けた作戦は今作も鮮やかでした。
一堂に会したオールスターが、しかし蓋を開けてみれば一本の線の上に成り立っていた、という伏線回収はやはり痛快

 

この予想こそはずれちゃいましたが、ただのワンポイント出演だと思っていたデヴィ夫人も、まさかあんな活躍をなさるとは思わなかった…笑。

 

しかし、核心部分に大きな秘密があって、その一点を持って全部ひっくり返して見せた前作『ロマンス編』に感じたカタルシスには見劣りするかな、というのが本音です。

やっぱり自分は『ロマンス編』の趣向のほうが好きです。

ちなみに…核心部分ゆえに、今作の宣伝が流れるたびに前作のネタバレになっちゃってる要素があって歯痒かった…笑。なのでこの記事本文では、意図的にあの配役についての言及を控えています。

 

 

プリンセスの物語

そういう意味では今作の主眼は、恒例のどんでん返しではなく─
表題にある通り、プリンセス…に扮したコックリの物語だったのだと感じます。

 

「私達はなんにでもなれる。本物も偽物もない。信じればそれが真実」
ダー子に見いだされたコックリの思わぬ成長と決断。
『コンフィデンスマンJP』の世界ならではのプリンセスストーリーは、これまでのシリーズ作とはひと味違う感慨を誘い、Official髭男dismによる主題歌『Laughter』ともオーバーラップして響いてくる。

 

 

正直、前作の趣向を期待しすぎていて最初は戸惑いましたが、これはこれで良かったと思います。本当に前作そのままの展開だったら芸がない。

毎話、多彩な表情を見せてくれるからこそ『コンフィデンスマンJP』なのだし、劇場版と言えどシリーズの王道に依らず新たな1ページを開いてくれたと捉えれば、素敵なストーリーでした。

 

引いては、まだまだ『コンフィデンスマンJP』の続編が見たい!と強く感じましたね。

 

 

続編の布石は、プリンセス編のなかに…?

新型コロナウイルスの先がまだまだ見通せない昨今。
映画撮影も変化が求められており、海外ロケも敢行できず、なかなかスムーズに続編制作というのは難しいのかもしれませんが、その時を楽しみに待ちたいと思います。

 

そんな続編の布石は、もしかしたら今作のなかにすでに打たれているのかもしれない。

ちなみに…あのシーン、いつ撮影されたものなのかメイキングが気になる。最後の最後、見事にしてやられました!

 

 

コンフィデンスマンJP ロマンス編

コンフィデンスマンJP ロマンス編

  • 発売日: 2019/12/04
  • メディア: Prime Video