新ファイター「ベレト/ベレス」が配信されて1週間。
そして、これにてファイターパス5体がすべて出揃った格好になりました。
…と言うことで、『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』発売からおよそ1年間にわたって配信されてきたDLCファイターをこの機会に振り返っていきたいと思います。
ただ、ほとんどが原作タイトルをプレイしたことのないファイターばかりだったし、『スマブラ』としても具体的に戦術を立てて遊ぶタイプではないエンジョイ勢のレビューであることをお許しください…苦笑。
関連記事:
パックンフラワー
「ファイターパス」振り返り…と言いながら、いきなり厳密には「ファイターパス」ではないファイターです。
パックンフラワーは、『スマブラSP』の早期購入特典として配信されました。
発売前最後のダイレクトで発表され、意表を突いたファイター選出には誰もが驚かされたんじゃないでしょうか。
しかし裏を返せば、「パックンフラワーなんかが参戦しちゃうの?もっと参戦すべきキャラいるだろ?」という感情も否めないのが正直なところ…笑。
その点で「早期購入特典」という立ち位置が絶妙だった。
最初からいるファイターでもなく、実際にお金を払う「ファイターパス」でもなく、あくまで「おまけ」の意味合いが強い。早期特典を過ぎた現在も「もらいそびれて悔しい」という程でもなく、それでも欲しい方はご購入を…と1体だけ販売もしている。ちょうどいい塩梅だと思います。
『スマブラSP』制作時点で織り込み済みのファイターだったためか、追加ファイターのなかでは今のところ唯一、ピット&エンジェランドにおけるスマッシュアピールに専用漫才が用意されています。
ほかのファイターにも増して遊び心に富んだ内容になっているので是非お試しを。
ジョーカー
『スマブラSP』発売日にその参戦が電撃発表されたジョーカー。
シリーズ関連作の発売こそあるものの、肝心の『ペルソナ5』本編が任天堂ハードでは発売されていないなかで、まさかの登場でした。
ジョーカーは、ひとことで言うとスタイリッシュ。
軽やかな身のこなしで細かくダメージを刻みながら、ここ一番、ペルソナ召喚時に見せる強力な攻撃の数々が魅力的。そんな強みを活かす上で使いこなしたいのが下必殺ワザ「反逆ガード」。
相手の攻撃を受けてゲージを溜め、ペルソナ召喚の回転率を上げる。
カウンター系の必殺ワザって、タイミングよく決めるのが難しいですよね…。その点、この「反逆ガード」は即座に反撃を食らわせるようなワザじゃない分、攻撃を受け付ける時間が長く、カウンター系の必殺ワザの入門として最適なのではないかと思います。
自分も、それまでカウンターなんて使いこなせる気がしなかったけど、「反逆ガード」を機にほかのファイターでもカウンターを仕掛けてみることが増えました。(ただ乱発してるだけとも言える…)
ちなみに…カウンターに加えて、「その場緊急回避」(ガード中にスティック下はじき)を使うことも増えました。これで相手の切りふだを躱せると最高に気持ちいい!
リザルト画面でも、独自の演出が盛り込まれている。なかでもストック制バトルで、最後の切りふだ「総攻撃」で決着がついた場合、そのままリザルト画面に遷移するのが新鮮。
勇者
『ドラゴンクエストXI S』より、勇者 参戦!
『スマブラX』で他社ゲストファイターが登場した頃から長らく熱望されていたであろう『ドラゴンクエスト』のスマブラ参戦がついに叶ったことに興奮した方も多いと思いますが、自分はちょっと温度差があって…
「僕、『ドラゴンクエスト』?あれ、一回もやったことないんですよ」
(かまいたち自慢風に)
「みんなが今から『ドラクエ』やらんとこ思っても意味がない。だって、もう遊んじゃってるから」
子ども時分にあまりRPGをプレイしてこないまま来ているので、『ドラゴンクエスト』をプレイしたことがないんですよね。
まあ、原作タイトルをプレイしたことのないファイターは珍しくありませんが勇者の場合、困ってしまったのが…
下必殺ワザ「コマンド選択」の呪文の意味がさっぱり分からない…笑。
ルーラ?イオ?マホカンタ?ピオリム?パルプンテ?
ドラクエの呪文に馴染みがある人がプレイしてたら、サッと効果を思い浮かべれて的確な呪文を選べるのでしょうが、意味が分からない自分には字の小ささも相まって毎回、もう適当に選んでいます。
ある意味、もっとも原作知識を必要とするファイターですね。
自分みたいなレアケースは困ってしまうのですが、それを補って余りある『ドラゴンクエスト』ほどのビッグタイトルだから取り入れられた大胆な趣向でした。
【追記/2020.02.06 22:45】
…と書いたところ、フレンドさんがブログやツイッターで『ドラクエ』初心者に向けて解説してくださったのでご紹介!
ドラクエ未経験者向け!スマブラ勇者とりあえず遊ぶ用にこれだけ覚えようドラクエの呪文
— ノリニロン (@noriniron) 2020年2月5日
とりあえず選んじゃダメ:メガンテ,アストロン,パルプンテ
とりあえずあったら選べ:ラリホー,ザキ,ザラキ
応用編
敵が近い時:〇〇斬り,ザラキ
敵が遠い時:それ以外(上記ダメなやつ以外)
まず6種類から
これを心得て、自分の勇者もレベルアップしたい!ありがとうございました!
カラーバリエーションで、『ドラゴンクエストIII』『IV』『XIII』の勇者に様変わりするのも豪華。…見方を変えれば、この顔触れをカラーバリエーションで済ませてしまっていいの、という勿体なさも感じるのは自分だけ?
バンジョー&カズーイ
NINTENDO64で一斉を風靡したバンジョー&カズーイ。
初代『スマブラ』発売時に「スマブラ拳」で実施されたアンケートでも、参戦希望キャラとして8位に名を連ねていました。
その後、開発元のレア社のパブリッシャーが任天堂からマイクロソフトに移ったことで微妙な立ち位置に置かれていたキャラクターでもありました。
そんな彼らの満を持してのスマブラ参戦。
任天堂キャラ総出でお迎えするかのような参戦ムービーが印象的でした。
バンジョー&カズーイのワザは、とにかくコミカル。
横スマッシュ「ハリセンカズーイ」や通常必殺ワザ「タマゴミサイル」、下必殺ワザ「おケツタマゴ」などなど名前から見ても分かる通り人を喰ったような挙動で翻弄しながら、ここぞと言うタイミングで横必殺ワザ「ワンダーウイング」を叩き込むのが堪らない。
強力な分、「ワンダーウイング」は1ストックにつき5回までという制限がありますが…大丈夫、5回使ううちには1度ぐらい撃墜されてるので惜しまず使いたい。
バンジョー&カズーイのホームステージ「クルクルやま」。
一定時間ごとにファイター、アイテムかまわずぐるりと回転する特殊なステージ。…だけど、いざ遊んでいるとバトルに夢中でなかなか回転する趣向を味わえない。そんな時は、スペシャル乱闘で「画面固定乱闘」にして広いアングルでプレイすると、よりダイナミックに景観全体が回転するサマが楽しめるので一興です。
テリー・ボガード
90年代前半の格闘ゲームブームにおいて『ストリートファイターII』と双璧をなした『餓狼伝説』より、テリー・ボガード参戦!
SNKから参戦するにしても、『KOF』の草薙京じゃなくテリー・ボガードという選出にスマブラらしいこだわりを感じます。
…と言うことで「ファイターパス」5体のうち、唯一かつて原作をプレイした思い入れのあるタイトルです。
「パワーウェイブ」「バーンナックル」「ライジングタックル」と往年の必殺ワザを、『スマブラ』を舞台に放つ姿は感慨深いものがあります。
テリー・ボガードには、最後の切りふだとは別に「超必殺ワザ」が用意されています。
これまでリュウやテリー・ボガードの一部必殺ワザでコマンド入力も出来るという要素はありましたが。原作さながら複雑なコマンドを入力しなければ発動すら出来ない超必殺ワザの導入は、複雑化していく格闘ゲームのアンチテーゼという側面を持つ『スマブラ』において意外な判断だった。(コマンド入力判定は甘めで簡易コマンドも受け付けるとは言え…)
ただ発動できるのはピンチ時だけとあって超必殺ワザに固執するのは原作以上にリスクに晒されやすい行動でもあるので、ファンサービスの意味合いが大きいとも言える。
歴戦のSNKファイターがゲスト出演する「KOFスタジアム」。
不知火舞だけは出演を果たせなかったことが大きな話題になりましたね…笑。
一見すると地味な地形ですが、左右に置かれた透明な壁を突き破り、豪快にふっ飛ばすのが楽しいステージ。その趣向は乱戦になればなるほど際立ち、ド派手なエフェクトが飛び交いあう。気分を変えて「スーパーサドンデス」で遊びたいステージのひとつです。
ちなみに…今作の「スーパーサドンデス」乱闘はストック制しか選べないのがちょっと残念。土台勝ち負けなんて二の次のルールなので従来通りタイム制でハチャメチャ遊びたかった。
ベレト/ベレス
そして先週、1月29日(水)に配信されたばかりのベレト/ベレス。
「ファイターパス」が発表された時、真っ先に期待されたのが『スマブラSP』発売には間に合わないシリーズ最新作からの参戦。そのうちの1つが『ファイアーエムブレム風花雪月』でした。まさしく王道の参戦と言えるでしょう。
関連記事:
ベレト/ベレスを使い始めて、面白いのがやはり多彩な武器=“英雄の遺産”。
方向キーごとに割り当てられた「剣」(魔剣 天帝の剣)、「槍」(魔槍アラドヴァル)、「斧」(魔斧アイムール)、「弓」(魔弓フェイルノート)が、それぞれ大きく異なる特性を持っているので意識的に使い分けることが求められる。
ほかのファイターだったら、キャラ自体の特色を掴んだら、だいたいこんな感じかなーとなんとなくでスマッシュ攻撃を繰り出せるけど。ベレト/ベレスは、まだ慣れないこともあって「どんなワザだったかな」と一拍考えながら操作しなければ、どれも決め手になってくれないようなジレンマを覚えます。
「ベスト/ベレスのつかいかた」配信動画で、ベレト/ベレスを「間合いの鬼」と形容していたのが言い得て妙で。武器の特性と間合いをきっちり図って攻撃を仕掛けることが出来れば、ひとたび痛快な活躍を見せてくれる。
なかなか使いこなすのが手強い、「ファイターパス」最後に相応しいファイターといった所でしょうか。
ファイターパス完結!
以上、「ファイターパス」5体&パックンフラワーでした。
こうして振り返っても語りたいことが尽きないと言うか。キャラクターとしても、それを『スマブラ』に落とし込むために盛り込まれたシステムとしても、個性的なファイターばかりでした。
そしてなにより「次は誰が参戦するだろう」というワクワク感も、基本ファイターにはないDLCならではの醍醐味として1年間楽しかった。
そして、ご存知の通り「ファイターパスVol.2」としてさらに6体のファイター追加が予定されています。
でも正直、この5体に匹敵する参戦ファイターを再び揃えるなんて、もう無理でしょ。
残念ながらVol.1よりはパワーダウンしちゃうんじゃないかなあ。
…と、サプライズをより楽しむためにVol.2のハードルを下げたところで締めたいと思います…苦笑。