先月11月20日(金)発売された『ゼルダ無双 厄災の黙示録』。
ようやくクリアできたので、年内の駆け込み更新ではありますが感想をひとつ。
大厄災×無双という着眼点
『ゼルダ無双 厄災の黙示録』は、ゼルダ無双シリーズの第2弾。
2017年ニンテンドースイッチと同時発売された『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』において過去の出来事として描かれた「100年前の大厄災」を舞台に、無双アクションが繰り広げられます。
4英傑…ミファー、ダルケル、リーバル、ウルボザが現役で登場するのも魅力です。
「100年前の大厄災」を無双アクションで描く─。
今作はもう、この掛け合わせにやられた!の一言に尽きますね。
正直、無双シリーズは前作『ゼルダ無双』も含めてあまりプレイしていませんでしたが、こればかりはやるしかない!という説得力がありました。
“もう一つの物語”
無双で『ブレス オブ ザ ワイルド』本編とも繋がる世界観として思い描いていたのは─
最後の「ウツシエの記憶」に直結するストーリーでした。
『ブレス オブ ザ ワイルド』で、過去が語られていった「ウツシエの記憶」。なかでも最後の一編は、100年前と本編時間軸とを結び決定的な描写なので、ぜひ自分のプレイとして体験してみたいな、と。(※この画像のみ『ゼルダ無双』ではなく『ブレス オブ ザ ワイルド』出典です)
ただ、それじゃバッドエンド確定じゃん、と物議も醸していました。
個人的には『ブレス オブ ザ ワイルド』を知っているからこそ、100年後に希望を繋ぐという意味で必ずしも暗くなりすぎず成立でき得るシナリオだと期待していました。
『ゼルダ無双 厄災の黙示録』オープニングで、その期待ははやくも崩されました。
今作は“もう一つの物語”…アナザーストーリーです。
…と言うことで少しばかり落胆しながらの幕開けではありましたが─
今作中盤に訪れる4英傑の窮地は、アナザーストーリーならではの見せ場でした!
それでいて『ブレス オブ ザ ワイルド』を無双にするなら、確かに欠かすことは出来ないな、というサプライズ。落胆ぶりも一気に払拭されましたね。
『ブレス オブ ザ ワイルド』の地形を、100年前だという脚色も加えつつそのまま切り出したステージ地形も嬉しい。このマップ画面からのステージ選択をはじめとして各種UIも『ブレス オブ ザ ワイルド』を踏襲していて好き。
ひとつ分かりやすく象徴的なエリアとして、この牧場には胸踊りました。
マップの再活用については以前、『ブレス オブ ザ ワイルド』続編を念頭において続投してほしい、という記事を書いたことがありました。今回の『ゼルダ無双』は、その要望の一端が叶った格好でもありました。
不落の強敵と相まみえる
無双シリーズと言えば、どうしてもアクションが大味なイメージがありましたが─
『ブレス オブ ザ ワイルド』ゆずりの「ラッシュ」や、敵の攻撃(攻撃アイコン)に合わせて繰り出す「シーカー」など、ただコンボや必殺技を繰り出すだけではない判断要素が盛り込まれ、面白かった。
特に「シーカー」は、コンボや特殊能力同様に、プレイアブルキャラクターごとに同じ攻撃であっても異なる演出が展開されて楽しませてくれます。
個人的に特筆したいのが、強敵ライネルとの戦闘。
『ブレス オブ ザ ワイルド』では、ライネルが手強すぎて正直、数えるほどしか戦ったことがなかったんですよね。なるべくなら見つからないように逃げていました。
しかし、『ゼルダ無双』なら違う。好戦的にライネルとも相まみえることが出来る。
『ブレス オブ ザ ワイルド』本編とは異なる醍醐味を覚えたシーンでしたね。いや、本編でも悠々と戦えてる人には共感できないかもしれませんポイントですが…苦笑。
ライネル戦。コンボ、ラッシュからのスマッシュ演出と流れるように決まって、何気ない戦闘場面だけどお気に入りの一幕。
使用キャラはインパ。彼女の若かりし活躍も楽しい。
ただ、いくらライネルやガーディアンとも優位に戦えるようになったとは言っても、手順を間違えると取り囲まれて、こんな地獄絵図になることもあるのでご注意を─。
さすがに太刀打ちできない。これこそ厄災だ、と追体験。
ザコ敵や味方兵士が棒立ち気味だったり、「○○体以上倒せ」系の課題は敵を湧かせることに腐心するみたいな本末転倒感もありましたが。そこは一種、もう無双の様式美になっているのだろうな。
『ブレス オブ ザ ワイルド』の無双、そして…
総じて、いいコラボタイトルだったと思います。
前述の通り、『ブレス オブ ザ ワイルド』に直結する正史ではなかった点に未練はありますが、ひとつそこを割り切ったからこそ多彩な要素を時に遊び心も交えて盛り込んだ無双に仕上がっていました。
100年前の真実がどうこうはもとより、シンプルに『ブレス オブ ザ ワイルド』の世界で無双できることが楽しかった。
クリア後もまだ手つかずの課題が多く残っていますし、なによりまだ隠しのプレイアブルキャラクターもいるようなので、プレイはもうしばらく続けていく予定です。
そんなこんなしながら、2021年こそは本丸『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』続編の続報&発売に期待したいですね。