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“異例づくし”を制したのは!?…『R-1ぐらんぷり2020』

R-1ぐらんぷり2020』が昨日、開催&放送されました。

 

新型コロナウイルス感染拡大防止の一環で、賞レースには珍しい無観客での開催。昨年の闇営業騒動が尾を引いて、司会は蛍原&三田アナの2人体制。9人もの決勝初進出者
18回目を迎える『R-1ぐらんぷり』はかつてない異例づくしの状況での開催となりました。

ちなみに…宮迫の代役というわけではないけど、昨年チャンピオン・粗品がずっと司会席にいたのが収まり良かった。

 

…と言うことで、今年のR-1ぐらんぷりを見ていきます。 

natalie.mu

 

トリプルファイナリスト、ついに栄冠へ!

逆境のR-1ぐらんぷりを制したのは、マヂカルラブリー野田クリスタル
M-1グランプリキングオブコントに続いての決勝進出でトリプルファイナリストの快挙を成し遂げた勢いそのままに、R-1ぐらんぷりの栄冠を手にしました。

 

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個性的な自作ゲーム(「野田ゲー」)を使ったネタ。
映像を駆使したネタと言えば陣内智則が思い浮かぶけど、その発展型と言うか。それこそゲームに例えたら、プリレンダリングムービーだったものがリアルタイムレンダリングに進歩としたような感覚。
もちろん概ねのネタの運びは決まっているのだろうけど、その場でプレイしているアドリブ性が目新しかった。

それだけに審査員だった陣内の感想コメントを聴きたかったけど振られず…。

 

これで晴れて『怪傑えみちゃんねる』にも呼ばれるかもしれないけど、上沼恵美子がたぶん『M-1グランプリ2017』のことをもう覚えてないだろうから「えみちゃーん」と呼んでも変な空気になりそうだ…。

 

 

決勝初進出の強味を発揮した大谷健太

今大会、敗者復活から準優勝へと躍り出たのが大谷健太

 

ごめんなさい、不勉強で名前もピンと来ず完全に初見でした。その分、決勝初進出者9人という今大会のなかでも一際、新鮮な空気感のもとでネタを見ることが出来たのが強かった。
「創作早口言葉」「2コマ漫画」と一見、オーソドックスなフリップ芸と思わせておいて、後半にかけてテンポよく伏線回収を重ねていく構成が光っていた。

 

 

ネタ時間3分、もう一声欲しかった

すゑひろがりず南條は惜しくも3位という結果に。
M-1グランプリ2019』でも話題をさらった狂言言葉への言い替えはテッパンの面白さがある。
一方で、「今昔またぎ」という魅力的なルール設定を用意していながら、活かしきれていないと言うか、もっと行ったり来たり遊んでみせることが出来たんじゃないか、と歯痒さを感じたのも正直なところ。

 

南條に限らず全体的に「ネタ時間3分」というルール設定が短すぎた…。
いい感じにネタが進んで、もうひと展開ほしい、というところで終わってしまうパターンが多かった。やはり「ネタ時間4分」ぐらいは用意してあげてほしいし、いっそのこと決勝進出者の人数をもう少し絞ってみるのもアリなのかもしれないな、と感じた。

 

 

個人的MVPはワタリ119

そのほか、気になったネタを取り留めもなくつらつらと…。

 

SAKURAIが奏でる共通点ソングの不条理さ、好き。
「♪モロヘイヤの生産量 第5位から10位~」のどうでもよさが素晴らしすぎる。モロヘイヤの時点でオチてるのに、さらにその5位から10位っていう。単体のボケで言えば、今大会一番笑ったかもしれない。

 

ななまがり森下が披露した「乳首隠せない男」。
陣内は審査コメントで「無観客でよかったわ、お客さんおったらどうなってんねん」と評したけど。いやいや、観覧客がいてこそ、跳ねたかもしれないネタだと感じた。そりゃ入り口はドン引きの悲鳴だろうけど世界観に添って盛り上がるのもR-1の客層。イライラ棒のくだりは案外、歓声上がってたんじゃないかとすら想像してしまう。
転じて、それを無観客で披露し続ける滑稽さが、別の面白さを醸し出していく。
「無観客開催」の影響を良い方向にも悪い方向にも受けたのが、ななまがり森下だったのかも。

 

そして個人的に今大会MVPだったのがワタリ119
惜しくも大谷健太に敗れたという審査には異論ありませんが、最初のネタを披露した時点ではこのまま優勝しちゃうんじゃないか、という熱量を感じた。
3分間にフリップを119枚めくるフリップ芸。
全方位にフックが効いてて、もうフリップの内容は二の次でも成立する仕掛けをしておきながら、そのフリップもまた緩急しっかり構成されていて抜かりない。

さんまのお笑い向上委員会』をあまり見ておらず、『ドッキリGP』や『有吉ゼミ』からイメージするワタリ119からは想像つかないネタだったので、まんまと裏切られたという気持ちよさもありましたね。
仕掛けに富んだ構成で、とても面白かった。

 

 

放送尺あまり?最後まで異例のR-1ぐらんぷり

ワタリ119の敗因のひとつとしてネタ時間を余らせたことが挙げられていたけど…
番組自体も5分近くも余らせていたら世話ないですね…苦笑。

 

その残り5分で提供枠も切り替わっているので、もしかしたらそこで番組終了だった系列局と21時ジャストまで放送される局との違いがあって、最後グダグダ気味になっちゃったのかな。

 

でも、チャンピオン決定後に感想を交わし合う時間が設けられるのも配分として悪くなかった。
なにより異例尽くしのなかで行われた今年のR-1ぐらんぷりが、こうしてゆっくりとした流れのなかで幕を下ろしていくというのが象徴的なようで、とても良かった。

…なんと言うか、出演者、スタッフともども、お疲れ様でした!楽しいR-1ぐらんぷりをありがとう!という感じですね。

 

 

来年どのような形での開催になるかは分かりませんが、また新たなピン芸の発展型が生み出されていくことに期待したい。

 

 

株式会社トーホク モロヘイヤ 02471

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